🌷 病棟で働く看護助手(看護補助者)、介護福祉士のくらともがお届けする記事です☕
50代になって、若い頃のような瞬発力や体力で乗り切るのがちょっとしんどくなってきた——。
同じ病棟で働く仲間や、医療・介護の現場にいる同世代の方なら、きっと一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
私は病棟勤務8年目の看護助手(看護補助者)です。若い人のようにブルドーザー的にパワフルに動けるタイプではありません。でも、体力がないからこそ身についた「省エネでテキパキこなす工夫」があります。
この記事では、私が現場で大事にしている「長く、機嫌よく働くための4つの習慣」を、実体験を交えてまとめました。
- 🔖 「段取り八分」で、未来の自分を楽にする
- 🔖 「ついで仕事」で、一歩を何倍にも使う
- 🔖 マルチタスクは、体力がない人の省エネ戦略
- 🔖 メンタルは「人と自分の線引き」でフラットになる
50代に限らず、同時多発的に仕事が発生する現場で働くすべての方に、何かヒントが残せたら嬉しいです。
🏥 なぜ、50代の病棟勤務はしんどくなるのか
まず、そもそも50代になると、なぜ病棟勤務がしんどく感じられるのか。これは私だけの感覚ではなくて、数字でもはっきり出ています。
厚生労働省「看護職員の確保を巡る状況」によると、看護職の中で50代が占める割合は年々増えていて、2020年時点で約5人に1人(21.7%)が50代。一方で夜勤明けの疲労回復に時間がかかる、長時間の立ち仕事で腰や膝が痛む、といった体調面の変化を訴える人が増えているという結果も出ています。
また、厚生労働省「過労死等の労災補償状況」によると、医療・福祉分野はメンタル不調の労災請求件数が全業種中でトップ(20.7%)。つまり、50代の医療現場というのは、体力的にもメンタル的にも、若い頃とは違う工夫が必要な時期なんです。
50代の疲労は「気のせい」じゃなくて、ちゃんとデータに表れている現実。だからこそ、精神論ではなく「仕組み」で乗り切る発想が必要です。
📋 習慣1|「段取り八分」で、未来の自分を楽にする
「段取り八分」ってご存じですか
私がいつも頭に置いている言葉があります。
段取り八分、仕事二分
事前の準備(段取り)がしっかりできていれば、仕事の8割は終わったも同然、という意味の格言。参考:『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(水野学)
(だんどりはちぶ、しごとにぶ)
もともとは歌舞伎の楽屋用語とも、建築・製造現場の職人言葉ともいわれる言葉で、トヨタ自動車も生産方式の中でこの考え方を重視していることで知られています。
病棟の仕事にぴったり当てはまる言葉だなぁと、現場に立つたび実感します。
病棟での具体的な「段取り」
病棟って、ルーチンワークをこなしながら、ナースコール、看護師さんからの依頼、患者様対応が同時多発的に発生する現場。その場その場で反応しているだけだと、絶対にパンクします。
なので私は、ちょっと余裕のある時に、先の仕事の段取りを必ずやっておきます。
| 段取りする内容 | タイミング | 何の準備? |
|---|---|---|
| 明日の入退院の確認 | 前日の空き時間 | ベッドの種類・準備物を揃える |
| 2日後の体重測定 | 前々日 | 対象の患者様をリストアップ |
| 検査の予定 | 前日のうちに | 絶食指示・送迎の流れを頭に入れる |
| シーツ交換 | 朝のうちに | 曜日・人数分を把握しておく |
こういう情報を常にアップデートしておくと、看護師さんから「○○さん、明日退院だっけ?」と聞かれた時に即座に答えられる。依頼が飛んできても、ワンテンポ早く動けます。
「段取り型」と「ブルドーザー型」の違い
現場には、大きく分けて2つのタイプの働き方をする人がいます。
| 🌿 段取り型(私はこちら) | 💪 ブルドーザー型 | |
|---|---|---|
| 強み | 先読み・省エネ・情報管理 | 瞬発力・体力・コミュ力 |
| 武器 | 事前準備と情報のアップデート | その場での判断と勢い |
| 向く人 | 体力より経験で勝負したい人 | 若くて体力に自信がある人 |
| 弱点 | 想定外に弱いと言われがち | 段取り不足で後手に回りがち |
どちらが優れているという話ではなくて、「自分はどちらのタイプかを知って、自分に合った働き方を選ぶ」のが長く続けるコツ。
私は50代。もう体力勝負はできません。だから段取りで勝負。これが、自分なりの現実的な答えです。
✅ 習慣2|「ついで仕事」で、一歩を何倍にも使う
ある日の食事配膳で気づいたこと
これは私が段取りと同じくらい大事にしている考え方です。
たとえば、患者様の病室にバイタル測定で入った時。お話ししながら、オーバーテーブルの上をさっと整頓しておく。
すると、あとの食事配膳の時に何が起こるか——。
先にテーブルを片付けてあった場合
スッとお膳を置ける → 1人あたりの配膳時間が短縮 → 全体の流れがスムーズ 🎉
1回の訪室で、2つの仕事を済ませる。これが「ついで仕事」。ひとつひとつは小さいけれど、積み重なると本当に差が出ます。
「ついで」を発動させるための口ぐせ
少し離れた場所に行かなければいけない時は、頭の中でこう唱えます。
「他にその場所に用事がないかな?」
これ、癖づけしておくとすごく楽になります。
- 🗄️ 物品庫に取りに行く → ついでに他に足りないものはないか
- 🏥 ナースステーションに戻る → 運ぶ書類や器具はないか
- 🛏️ 病室に行く → 他の患者様の訪室予定を一緒に回せないか
効率化というほど大げさじゃないけれど、「何かをしながら何かをする」という脳の使い方は、行動の癖づけで定着しやすいんです。
同じような働き方の人は、家庭でも…
これは完全に私の経験則なんですが、現場で「段取り」「ついで仕事」が自然にできる人って、家庭でも家事・育児・介護など複数の役割を同時にこなしている人が多い。
つまり、これまでの人生の経験が活かされる場なんですよね。医療・介護の現場は。
未経験で入ってきた人でも、生活の中で培ったマルチタスク力を持っている人は、驚くほどすぐ戦力になります。だから、50代未経験で看護助手を始めるのは、決して遅すぎないんですよ。
⚡ 習慣3|マルチタスクは、体力がない私の省エネ戦略
本当はシングルタスクのほうが効率がいい、けれど
「マルチタスクよりシングルタスク」——ビジネス書ではよくこう言われます。確かに、一点集中のほうが一つの作業は早く処理できる。これは事実だと思います。
でも現場の実感として、私は「広く情報を得ながら、全体的に考えて行動する」ほうが、結局1日の仕事を俯瞰してこなせているなぁと感じています。
なぜか。病棟の仕事は、そもそも「ひとつを終わらせてから次」という流れができない場面が多いから。ナースコールはいつ鳴るか分からないし、急変や急な依頼はタイミングを選びません。だからこそ、常に全体を見ながら、優先順位を瞬時に入れ替えて動くマルチタスク思考が、結果的にラクなんです。
体力がないから、技術でまかなう
若い頃のように「体力でカバー」はもうできません。だから、無駄な動き・無駄なやり直し・無駄な考え事を徹底的に減らす。
これは日本看護協会も「看護業務効率化」の取り組みとして推奨している考え方で、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすと、現場全体の負担も下がると言われています。個人レベルでもまったく同じこと。
すきま時間の使い方
効率よく動ける看護師・看護助手に共通するのは、「すきま時間の使い方」が上手いこと。私の場合はこんな感じです。
- 📝 記録は「あとでまとめて」ではなく、記憶が新しいうちにその場で
- 🚶 動線を意識して、無駄な往復を減らす
- 🕐 「5分空いたら何する?」のリストを、頭の中に常に持っておく
こういう小さな積み重ねが、1日の終わりにどっと疲れるか、わりとスッキリ帰れるかを分けるんですよね。
🧘 習慣4|メンタルは「人と自分の線引き」でフラットになる
医療現場は、感情を揺さぶられやすい職場
ここからはメンタル面の話。先にデータを置いておきますね。
実際、病棟は多種多様な患者様、同僚、看護師さん、ドクターが行き交う場。人の態度によって傷ついたり、気になって夜眠れなくなったり——感情を揺さぶられる現場だと感じる方は多いと思います。
「人のことが気にならない」考え方
これは押し付けるつもりはまったくない、あくまで私の個人的な考え方なんですが。
私はあまり人のことが気になりません。
「えっ?」と一瞬思うことはあっても、すぐに「そういう人なんだ」というスイッチが入る。そしてその人に合った対応で、自分のやるべきことをする。それだけです。
ポイントは、人と自分を切り分ける線引き。
| 🪞 自分に原因がある出来事 | 👤 相手由来の出来事 | |
|---|---|---|
| 対応 | 気づき・反省・振り返り | そのまま受け取る |
| 次の行動 | 改善につなげる | 対応するだけ |
| 感情 | 一度は落ち込むが学びに変える | 揺さぶられない |
自分に原因があることには気づき、時には反省して改善する。でも、起こった出来事だけに集中すれば、あとはそれに対応するだけ。とてもシンプルなことだと気づいてからは、本当に人のことが気にならなくなりました。
「なくて七癖」——みんな違って、みんな癖がある
昔から言われるじゃないですか、「なくて七癖」。
自分も含めて、誰にでも癖はあるんです。表現方法がいろいろなだけで、人が自分に対して起こすアクションって、特に病院という現場では——
- 🙋 患者様なら「こうしてほしい」
- 👩⚕️ 同僚や看護師さんなら「こう動いてほしい」
つまり、ぜんぶ”依頼”なんですよね。
依頼を受けたら対応するだけ(自分が全て対応できるかは別として)。そこに自分の感情を揺さぶられる意味はない。そう思うようになってから、人との付き合いが驚くほどラクになりました。
機嫌よく働けることの価値
よく「職場環境は人間関係で決まる」と言われます。一理あると思います。でも、それと同じくらい——
「自分の考え方次第で、人の言動の受け取り方をフラットにする意識をするだけで、かなり変わってくる」
これも本当のことだと私は感じています。
機嫌よく働けるって、長く続けるためにすごく大事。どんな技術や段取りよりも、もしかしたら一番大事かもしれません。
🌷 まとめ|50代で機嫌よく長く働くための4つの習慣
最後に、今日の話を一覧にしておきます。
| 習慣 | ひとことで言うと | 狙い |
|---|---|---|
| 📋 段取り八分 | 余裕のある時に先の仕事の準備 | 未来の自分を楽にする |
| ✅ ついで仕事 | 1回の動きで2つの仕事を済ませる | 動線と体力の節約 |
| ⚡ マルチタスク | 全体を俯瞰して動く省エネ戦略 | 体力のなさを技術でカバー |
| 🧘 人との線引き | 出来事だけに集中、感情は揺さぶられない | 機嫌よく長く続ける |
50代で病棟勤務を続けるのは、たしかに若い頃より工夫がいります。でも、体力が落ちてきたからこそ見えてくる、自分だけの仕事の型というものがあります。
「ブルドーザー型」になれない自分を卑下する必要はまったくない。段取りと線引きで、自分なりの省エネ戦術で勝負していいんです。

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